目の前の獣を睨むように、灰色の双眸はきつく吊りあがっている。 「噛めよ!そうしたら俺もおまえと同じになるだろう!?」 怒鳴るように言ったその言葉に、獣は低く唸って姿勢を低くする。 つい先ほどまで、獣は友人の姿をしていた。 空に上がる月の形が円だった、というだけで、友人は獣になった。 そのことを今知った。 どうして教えてくれなかったのか、と問い詰めようにも獣は人の言葉を話せない。 憤りだけが胸の内でわだかまり、どす黒く渦巻いてゆく。 くすぶる感情の名は怒り。 けれどそれは誰に、何に、向けてなのかを本人さえ知らない。 牙をむいて唸る獣に向かって叫ぶ。 月光の下、青白い肌を晒して星の名を持つ少年は「この喉笛を噛み千切れ」と獣に向かって。
動物が威嚇をするのは相手に恐怖を感じているから、でしたっけ? 今春から始めるラテン語のテキスト序盤に「Lupus non mordet lupum(狼は狼をかまない)」とあったものだから、「思わず夜明っち!」と心の内で叫んでしまいました。その後風呂場で妄想して上記の意味不明なテキストが完成。書きたいシーンだけ抜粋しすぎたために、前後の説明ぶっちぎってますので大変不親切設計。
ほら、一応ハリポタサイトですから……たまにはそれらしい話もしとこうかと。
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